日本ボート界最高峰の大会、第100回全日本選手権が終わりました。
今年はコロナ禍となって以来はじめての全日本級大会での有観客レース、第100回目記念大会としての全日本選手権、そして東京五輪のレガシーを利用しての五輪会場・海の森水上競技場での大会。
たくさんの話題が満載となった中での全日本でした。
プレビュー記事でもお伝えしたとおり、全日本史上最もハイレベルな種目もいくつか実現したと思いますし、選手スタッフはもちろん、観客の皆さん、運営の皆さんも含めて印象的な大会となったのではないかと思います。
参加選手は男子134クルー464名、女子69クルー192名、合計656名ということで、エントリー数からやはり50名ほど減、この数字はダブルエントリーも含めた延べ人数となりますが、この選手たちが日本一をめざす中で今年も熱いレースバトルと激戦、熱戦のドラマが連続した中で幕を閉じました。懸念された大雨などの悪天候までには至らず、若干の雨と連日風は多少ありましたが、海のうねりと波をしっかり攻略すればコンディション的には皆さん思った以上に悪くはないといった状況だったようです。
今回の記事では、前半で総評のように大会の運営や全日本への考えなどについて延べ、そして後半に各種目レビューでレースを振り返っていきたいと思います。
かなりの長文に注意であります。何回かに分けてお読みください。
それから、1回の記事で全部完結しようと最初は思いましたが無理でした(苦笑)。
女子レビューは後編に書ければと思います。ゆっくりと・・・。
運営についてまず最初に、コロナ感染は今も続いてはいますが、政府も社会もようやくwithコロナに踏み切っていく流れで、数々の催しやスポーツ大会は正常に行われつつある中、ようやく有観客となりしかも海の森では初めての観戦チケット販売で有料という試みも始まりました。有料となった件についてははっきりと背景の説明はなかったと思いますが、これだけの会場で大会をおこない、開催や運営のコストもかかるであろうということ、たくさんの運営スタッフが動いていることなどを考えると、これまで無料で当たり前にレース観戦をしていたRowingファンと関係者も、自然と理解と受容をしていたように感じられます。
私自身は今回海の森に行けませんでしたが、伝わってくるようすでは「海の森のコース、会場、大会の雰囲気は良かった」という意見が大半のようであり、おおむね好評の声が届いています。おそらくは全日本についてはしばらくの間海の森開催が続いていくのかという気がいたします。協会としては全日本だけでなく国際大会も含めて多くの大会を開催したいと考えているようですね。
そして、日本ボート協会としては何度か大会運営をしているとはいえ、大規模な国内大会の運営は初めてでしたし、色々と不慣れなところもあったでしょう。ボート関係者の方々にお伝えしていきたいのは、過度なクレームはなくしていきましょう!
当然、選手やスタッフからはよりよい大会運営を望んでいるため、さまざまな要望や意見、時には不満もあるでしょう。
しかし大会運営側も皆ボート関係者で構成され、ほぼボランティアで良い大会を作り上げようとしている、ボートを愛する仲間です。
運営面については常に改善と要望の案を、大会ごとにまとめて次回に生かしていく形で毎年向上して頂きたいところはあります。そして関係者やファンも、積極的に運営に参加したり理解する姿勢が必要なのだと思います。人とお金と物、そして情報や経験は運営側にも常に必要な永遠の課題です。
一昨年からのファンサービスの向上で、今年もHPにメンバー表のリストも掲載されていますし、パンフレットも今大会はさまざまな工夫が凝らされようやく今までのフォーマットから一新されようとしています。これら、すべて人の手による努力の証です。
そしてライブ配信も少しずつ向上していっていると思います。
JARA Channel 2022全日本 ライブ中継動画JARA Channel 第100回全日本選手権大会 初日①https://www.youtube.com/watch?v=Bc7gAnopPko&t=15670sJARA Channel 第100回全日本選手権大会 初日②(最後のW8+予選のみ)https://www.youtube.com/watch?v=m_aUU2oIE_MJARA Channel 第100回全日本選手権大会 第2日目
https://www.youtube.com/watch?v=9dUWdrvURP0&t=10506sJARA Channel 第100回全日本選手権大会 第3日目・前半https://www.youtube.com/watch?v=AiMsccQuJcoLW2X決勝 1:26:00~
LW2-決勝 1:36:00~JARA Channel 第100回全日本選手権大会 第3日目・後半https://www.youtube.com/watch?v=nWfIlZsjwLULM2X決勝 1:10:30~
LM2-決勝 1:31:20~
M4-決勝 1:50:25~
W8+決勝 2:25:15~JARA Channel 第100回全日本選手権大会 最終日リストラップ 手首サポーター リストストラップ ウエイトトレーニング用 手首固定 高弾力性素材 60cmx8cm ウエイトトレーニング 筋トレ用 手首固定サポーター リフティングストラップ ベンチプレス トレーニングW1X決勝 0:38:15~
M1X決勝 1:08:20~
W2-決勝 1:38:20~
M2-決勝 1:58:20~
W4+決勝 2:48:20~
M4X決勝 3:18:20~
M2X決勝 3:38:20~
W2X決勝 4:14:20~
M4+決勝 4:45:00~
1964東京五輪特別番組 4:58:00~12分ほど
W4X決勝 5:13:20~
M8+決勝 5:43:20~とはいえ、やはりライブ中継の質をより高めていただくと嬉しいなというのが私個人の意見です。応援者のOBOGや父兄、学校関係会社関係などは、なかなか仕事でいけなかったり遠方だったりしますので、ライブ中継は本当にありがたい。あるだけでありがたいのですが、もう少し良くなっていくといいなというのは皆さんも本音ではないでしょうか。
気になったのはやはりこのへんですね。
①通信状態が悪い(映像がカクカクしたり止まる)
②カメラワーク。1着争いの一定サイズばかりで全体のレース展開が分かりにくい。特に予選は3番手以下も公平におさめ、伴走車も可能なら対象クルーの横につく(戸田のように伴走車の後ろに自転車伴走の集団がいたら危険なのでその限りではありません)。また、アップ、引きを効果的に使って、選手のクローズアップや展開を分かるように。
また、定点カメラが手前1レーンの艇を把握していないことが多く、全体の艇の位置を把握してもらえると良い。
③なかなか難しいと思うのですが、8~10分間隔の中で全レース伴走車カメラが横につけるといいのですが、たぶん2台でも全レース伴走車撮影は回せていないと思うので、これは可能であればということで。このライブ中継の通信技術、トラブル対応、カメラ担当やドライバーなど人員配置など、私もライブ中継に関わっていましたので大変なことはよく分かっているつもりです。特に暴風雨でも来たら中継自体が至難の業になると思います。運営自体も大変なんですからね。ですので、可能な限りということで・・・。このライブ配信をやることだけでも、観戦料など多くの料金をもらうことは少しでも中継予算に充てるために必要だと思います。
カメラ担当は毎年初めての学生の方がやることも多いのではと思うので、以前過去記事でレース撮影でのカメラワークを考察していますので、是非ご参考にしていただければと思います。
「無観客レースをオンラインで満員御礼に!」また、実況解説は豪華でしたね!東京五輪でも実況をされたというU佐美N穂さん、ちょっとDJ風のノリのいい実況、ボート経験者ではないので詳しくはないが勉強中とのこと。そして解説者はまた豪華ゲストを何人も招いてのボートトーク。S藤H志さん、N野H志さん、M本K明さん、I本A希子さん、U田K奈子さん、H谷Hとしさん、N口N子さん(旧姓S田さん)などなど、有名代表選手OBOGがずらり。さすがに全部はライブ中継観ていないので、他にもたくさんの豪華ゲストの方々解説されていたようですね。これらの音声は中継動画に乗せただけでなく、会場にも流れてレース中の選手の耳にも届いていたようですので、会場へのサービスとしてもボートの実況解説がより発展していくといいなと思いました!
このほか、運営に関してはさまざまな試みも多かったと思われ、このへんは実際に海の森会場で大会を経験した皆さんのほうが感じるところ、気づいたところなど多かったでしょう。是非、さまざまな情報発信などしていただき、今後ますます良い大会にしていくために、意見交換をしながらともに良くしていきましょう。
全競技で初めての第100回とはいえ、別の言い方をすればまだ100回です。もっと上をめざし、世界に誇れる大会に成長させるのはこれからなのかもしれません。
また、海の森での開催について、このような価値あるご意見もありました。
リンクさせていただき、ご参考にさせていただきたいと思います。
はたして、海の森水上競技場は「問題の多いコース」なのか?タイトルからは分かりにくいですが、著者の方は海の森コース活用についてたいへん可能性を感じていらっしゃるという肯定的な意見です。
東京五輪では海の森建設の時も五輪開催のときもたいへんなネガティブキャンペーンが展開されましたが、あれは政治的な思惑によっても相当に巻き込まれて世論誘導の力を色々と感じました。
海の森建設費、維持費ともにちょっと高すぎるとはもちろん思いますが、しかしこのレガシーを活用していくことで、何十年、あるいは1940年建設の戸田オリンピックボートコースのように百年続く勢いでRowing文化に役立てていければ、経済効果では表れないスポーツの力、人と文化と社会への還元がなされていく可能性があると思います。
利用し活用していくのは私たちなのです。
各種目のレビューそれではお待たせしました。レース振り返りコーナーです。
各種目の振り返りに行く前に、第100回全日本、全種目の優勝クルーをおさらいしていきましょう。
2021全日本優勝クルーは以下の通りです。
M1X ○TT東日本(A川選手)
M2X ○TT東日本
LM2XTレ滋賀
M2- T山国際大
LM2-Cプロ
M4X I治造船
M4- T田中央総合病院RC
M4+ T紡織
M8+ ○TT東日本
W1X Pリントパック(N原選手)
W2X Iリスオーヤマ
LW2XC電
W2- K電
LW2-W大
W4X MY生命
W4+ R命館大
W8+ R命館大
このような結果となりました。
男子は社会人が9種目中8種目優勝の準完全制覇。女子は小艇とクォドのメインどころは社会人、スイープ大艇はR命館大が制覇しましたが、W4+は今年も社会人の参戦がなく、W8+に関してはR命館大は社会人との混成でしたので、実質ほぼ社会人チームが圧倒し、代表選手中心に大活躍した大会だったといえます。
2010年代から感じていますが、5、6月に開催される年の全日本は社会人圧倒有利、秋のインカレ後の全日本は学生もシーズンの経験でかなり互角に戦う、そういった傾向がかなりあると感じています。今大会は5月中旬という過去にあまり例を見ない早い時期での全日本でしたので、もともと地力のある社会人、さらに代表選考をたくさん戦っての勢いもあってその傾向に拍車がかかったかもしれません。海の森コースに慣れているかそうでないかも、多少はあったでしょうか。
しかし、それらを差し引いても、優勝したクルーは強かったなと思わせました。終盤まで熾烈をきわめた接戦勝負もたいへん多く、内容的にも盛り上がったレースが多かったり、あるいは優勝クルーが圧倒的に強さを見せつけたレースもありましたね。見応えのあるレース、さすが全日本といった大会だったかと思います。
今年も、ありがたいことに素晴らしい写真をご提供いただいております。某関係者の方よりいただいたものを中心に、いくつかは各チームの写真も使わせていただきます。
そうそう、写真といえば今大会は久しぶりに有観客に戻り、素敵なRowing写真を獲ってくださる方たちが今年も多くのSNSを彩っています。各チームの写真もいいもの多いですし、個人的にRowingの魅力を映し出す写真を撮ってくださる個人の方の作品の数々。こうした素材はボート競技の魅力発信源となります。今大会は撮影場所が限定されていたようでしたが、ぜひ良い写真が撮れるようにこうした方々の希望の場所が今後さらに使えるようになるといいなと思いますね。
では順番に見てまいりましょう。
M1X個人的に第100回全日本MVPはこの人、M1X優勝のA川選手です。A川選手は2017年、○TT東日本に入社以来、毎年全日本を優勝しています。
2017年はM8+、2018年はM1X、2019年はM2X、2020年と2021年はM8+。そして今年6年連続の全日本優勝を、M1Xで果たしました。全日本M1X制覇は2017年以来2回目。この燦然と輝く戦歴の中で、今年が最も強いと確信する勝ち方でした。心技体すべてが日本一、という印象で、レートもテクニックもフィジカルもすべて素晴らしく、日本選手の中で異次元の漕ぎといってもいいレースを見せてくれました。特に技術は、もうすでに世界トップレベルに並んできたと思わせるほど、昨年からさらにものすごく上手くなっていると思います。
A川選手との競り合いも予想されたT田M弘選手も確かに強く、軽量級でナンバーワンの力を遺憾なく発揮しさらにA川選手の頭をとろうと攻めのレースは途中まで並びかけていくアグレッシブな展開を見せますが、第2から少しずつ離れていったT田M弘選手に対しそのままのペースで攻め続け突き抜けていったA川選手、終わってみれば18秒という大差で次元が違う勝利でした。逆風も影響したはずですが、それだけでないオープンのトップと軽量級のトップの差というのをしっかりと見せた、歴史的なレースだったと思います。
今大会、ようやく日本のオープン選手も軽量級選手のテクニックを凌駕しはじめた、そんなオープンの進化を象徴していたかのようなM1X決勝でした。
異次元の漕ぎ、5'56のエルゴを誇り、技術でも世界トップレベルに近づいた、パワーというより「スピード」を見せつけた○TTのA川選手。このフォーム、明らかに骨盤後傾ぎみ、デプス高めのスタイル、手首ちょい巻きです。こうした同じスタイルが世界トップで大勢活躍していますので、骨盤前傾、デプス低め、手首真っ直ぐのみを強制することはありません(私はもちろん後者の派閥ではありません。デンマークやアイルランドの漕ぎが好きなので・・・)。Rowingは創造的、個性的であるべきです。重要なのは、つながっていること、身体内部感覚が外見フォームに表れていることです。
写真は決勝ではなく、良いドライブの姿勢が撮れたこの予選レースの写真を使わせていただきました。M1X2位、K電のT田M弘選手。本来なら全日本M1Xで圧倒的に優勝するのはこちらでした。
前半から真っ向勝負を挑んだため、最後は18秒もの差をつけられる結果となりましたが、男子軽量級最強の一角であることには変わりありません。おそらくはたとえオープンのA川選手にも負けないという気持ちでさらなる飛躍をめざしてくれることでしょう。 そして激戦の3位争いを制したのはS賀レイクスターズのO田R太選手。先行するW大のO山選手、N体大のK野上選手を後半しっかりと捉えて2年連続3位に輝く。瀬田に活動拠点を移し、ますます飛躍の予感。
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前半から予想どおり、全日本M2X優勝13回を誇るIリスオーヤマに、若き○TTのオープンダブル、そしてさらにW大の若武者U23ダブルが挑んでいきました。スタートしてしばらくはIリスより先行して見せたW大、Iリスにスタートで出たのはM2X優勝を重ねてきたこの15年間では唯一Iリスを破った2019年の○TT以外で初めてではないでしょうか。
しかしながら、W大と○TTが並びかけてくることは想定していたはずのIリス、300mで並び、そして第2でまず仕掛けて先頭に立つという万全の応戦。ここでIリスが半艇身出て、2番手にW大と○TTが並ぶというM2X三つ巴レースが形成されます。
第2クォーターでは、スタートそこまで無理をしなかった○TTが600mの橋を過ぎて満を持してIリスに襲いかかろうとするところ、グイグイと迫りますが、ここで横風の影響もあったか、○TTはちょうどブレードがブイに当たる航路でしばらくストサイ側に寄ってしまい、いいところでスピードに乗り切れません。Iリスも一瞬寄っていましたがうまくブイをまたぎ進路修正していきます。○TTは組み立てで蛇行の癖が仕上がっていなかったかもしれませんし横風スライドにより流れてしまったのかもしれません。こうした、蛇行でブイにかかったり隣レーンに入ってまた自レーンに戻る展開などは、スピードに乗れず差がついてしまうため、レース展開の中では世界戦でもよく見られるシーン、展開を左右する重要な局面となったりもします。勝負どころでの蛇行が明暗を分けるのです。百戦錬磨のIリス、この機を逃さずさらに仕掛けて突き放しにかかり、1000mで少し水をあけるくらいに俄然優位となります。
第3クォーターではさらに攻めて1艇身半にあけたいIリス。この第3に至り、W大はアタックして加速する2艇から少しずつ離れていき、すでにレースはIリスと○TT、1艇身をめぐる一騎打ちとなっていきます。
1500mで一時はIリスが○TTに2艇身近くにまでリードを広げ、圧倒的に流れを掴んだラストクォーター、このままいくのかと思いきや、○TTはロングスパートを仕掛け最後のアタック開始。1750mまでに1艇身に詰めていくとT山選手とS間選手、さらにギアチェンジしてSR42のMAXスパート。Iリスの逃げ切りを許さず炎のように加速していきブイをはたくのも物ともせずにオープンM2Xが逆風の中を猛進して突き進み、軽量級でM2X種目無敵のIリスをカンバス捕らえたのでした!!
この迫力のラスト、まさに世界レベルのラストスプリントの決戦。
こういうレースが日本でも見られるようになったかという感慨と、Iリスは2艇身近くの差があったところでもしかするとこれならいけるという気持ちがよぎったかもしれませんが、もう一度レースをしたらどんな結果になっていたかという興味も残りました。そしてまた、逆風で4年前と同じくわずかに敗れてしまったIリス、順風のコンディションだったらまた違う結果だったかもしれません。
いずれにしても、道中でのつまずきを挽回してラスト目の覚めるスパートを一閃、逆転勝利した○TT、強い挑戦者に対し冷静に主導権を握り続けたIリス、このオープンと軽量級での最強のシニアチャンピオンたちに臆することなく攻めの姿勢を貫いたW大と、今年のM2Xは第100回大会を飾るにふさわしい熾烈な3強対決が展開されたのでした。
ゴール直前大逆転を演じて笑顔の優勝、○TT東日本のストロークT山選手、バウのS間選手。
絶対王者のIリスオーヤマに対し、自分たちの世代が日本ボート界を引っ張る存在になるために絶対に勝ちたかったというお2人。これまで歴史を作ってきた先輩世代をリスペクトしつつも、自分たちが次の時代を作るという強烈な意志を胸にのぞんだ一戦だったそうです。
エルゴ6'13と5'59のオープンM2X、T山選手は新チーム加入のこの冬腰痛に悩まされたとのことですが、完全復帰で来年は6'05と5'54の平均6分切りM2Xを期待しています!
○TT東日本Twitterより掲載させていただきました IリスオーヤマのN村選手、O元選手。1500mまでに2艇身差をつけ普通なら勝負は決まっていたはずだったが、0.5秒差で涙を飲んだ。代表選手たちの対決がこれほどエキサイティングな勝負になるとは、全日本M2Xの歴史の中でも最もハイレベルなレースを演出してくれた。勇ましくシニア代表に挑んだ若きW大のU23代表LM2X。
日本最高のレースを戦い、今度は世界最高のレースへとチャレンジ。
W大Facebookより掲載させていただきましたスーパースカイバー 【0583】M2X決勝 3:38:20~LM2XLM2X決勝は、Tレ滋賀とT山国際大による競り合いという西日本選手権の再現となり、これにCプロも絡んでいきました。しかしTレは終始ペースを乱さず、前半から勝負に行ったT山国際大が疲れて次第に落ちる中で確実に離していきます。逆に3番手集団から徐々に上がってきたのはコンスタント勝負をしてきた朝日優勝のR命館大でした。Cプロ、T山国際と順番にとらえ、ラストはTレ滋賀にも迫ろうとしますがTレ滋賀はスパートでこれを振り切っての優勝。
横と少し逆も入った3日目のコンディションで6'52は、無風推定で6'40前後のタイムとなったと思われます。
TレはLM2X優勝。ストロークのS井選手、バウのE畠選手はSR37の高めのコンスタントで安定した漕ぎを見せ熟練といえるレースを見せた。
M8+を断念したTレだったがLM2Xでしっかりと結果を出した。全日本軽量級などでは何度も優勝を果たしていたが、全日本選手権では実に2007年のM8+優勝以来となる、15年ぶりの日本一となった。
再び社会人最強チームの座をめざし、そして関西ボートの盟主として輝いてほしい。 コンスタント勝負を選択し、Tレには届かなかったが見事な全日本準優勝のR命館大2回生ダブル、一気の急成長だ。
インカレには確実に優勝候補となるが、3位のT山国際大をはじめライバルひしめくM2X種目でさらにどれだけ強さを増していくことができるか。
R命館大Facebookより掲載させていただきましたhttps://www.youtube.com/watch?v=nWfIlZsjwLULM2X決勝 1:10:30~M2-こちらも筋書きのないドラマ、
M2-決勝も大会ベストレースのひとつに挙げさせていただきます。予選からやや荒れ気味の予兆はありました。優勝候補筆頭のT紡織が、予選レースでは圧倒的にトップを走ろうとしたときにあの難しい横風、かなりの蛇行も重なったかレーンを完全に逸脱したような迂回をはじめてしまったのです。そこを一気に突いたN大が予選トップとなり一躍優勝候補へ。そして有力社会人のT田中も今ひとつ調子が上がらずという中で、K應大、T山国際大、O阪大など定評のあった大学M2-も優勝をねらっていました。
そして決勝。強烈な先行力を見せいきなり250mで1艇身差抜きん出るT紡織(S:Y井選手、B:K村R太郎選手)。そしてこれに追随しマッチレースを挑んでいったのは、驚きの修正力を見せて決勝で本来の実力を発揮したT田中(S:T野選手、B:N本選手)でした。やはり決勝の大舞台で見せる社会人トップ選手のここ一番の強さというのは華麗としかいいようがありません。
逃げるT紡織、追うT田中、第3クォーターでは半艇身に詰めてきて一番盛り上がる緊迫の場面で動画確認したところ、実況席には江東区マスコットキャラクターのコトミちゃんが遊びに来ていてテンション違くてやや脱力ですが、ここでものすごい第3のアタックをかけてきたのがT山国際大。社会人の熾烈な一騎打ちの間に割って入ってきたのです。あっという間に3艇並び、そしてその勢いのままにT田中、T紡織の歴戦の社会人を振り切って加速し優勝をもぎとったのです!!
まさに昇龍スパート、雷雲を突き抜けて天にものぼるような逆転勝利のT山国際大。私の予想ではLM2-かと思っていましたがオープンのM2-のほうで日本一を勝ちとったのです。昨年のインカレM2-優勝に続き、今年は違うメンバーで全日本M2-優勝。T山国際大、M2XやM4XのイメージだけでなくM2-が強い新たなイメージを刻んだ1年となりました。
社会人の間を縫って神通川から駆け上がった昇龍、覚醒!!T山国際大M2-、ストロークのH口選手3年、バウのK内選手2年の若いコンビが日本一!なんとT山国際大の男子としては初めてとなる全日本優勝。女子はW2Xで2回、W1Xで1回の全日本優勝がありましたが、男子はインカレでは何度も勝っているだけに意外ではありますが、その偉業を海の森で成し遂げたT山国際大M2-の2人。そして、今回の全日本、男子種目の中では唯一の大学勢優勝種目となったのも、社会人2クルーを逆転で撃破した内容からもさらに価値ある優勝となったと思います。
スカルもスイープも優勝できるチームへ。昨年はインカレM4Xバウペアで活躍したこのお2人。新たな得意種目M2-とともに、多彩なインカレ編成で今度は総合優勝をねらいます。 昨年の優勝クルーとはメンバーが変わったものの優勝に一番近いと目されていたT紡織、S:Y井選手、B:K村R太郎選手。予選、準決勝と波に乗りきれなかったが決勝のパフォーマンスはさすが。 T田中のT野選手とN本選手。埼玉県会長杯、全日本予選からしっかりと短期間で修正し決勝では現状の力は出せたか。ラストもしっかり見せ場は作った。
T田中Facebookより掲載させていただきましたCUSCO クスコ ストラットバー Type OS フロント ライズ A200A 2019年11月〜 1KR-VET 1.0 FF ※北海道は送料1300円(税別) 沖縄・離島は着払いM2-決勝 1:58:20~LM2-軽量級男子ペア。
スタートから全く互角、両者譲らず火花散るマッチレースを繰り広げたのはM2-得意社会人チームCプロと、そして新たにM2-得意大学としてペア種目2冠も可能だったT山国際大でした。
この一騎打ちもたいへん見事なものでした。全くの互角に見えて、要所要所では抜きつ抜かれつのシーソーゲームを展開し、第3クォーターからはT山国際大が半艇身リード、しかしここで闘志に火がついたCプロ、そのまま行かれてしまうどころかLPガスの再点火!!ラストクォーターで燃え盛るスパートはT山国際大とともに熱く燃焼し、最後まで目が離せない焼き付く叩き合いでしたがわずかにCプロのファイヤースプリントが上回って優勝を果たしました。
2着、惜しくも準優勝のT山国際大はペア2冠の快挙にあと少しでしたがこのことからもM2-種目得意を重ねて示した強烈な印象を与えたとも思います。
Cプロ、LM2-優勝の瞬間。2018年M2-、2019年M2-で全日本優勝し、今年は軽量級だったが3年ぶりのペア種目優勝となった。S:O野選手、B:U原選手のペア。
新しく2024年佐賀国体をめざすS賀県スポーツ協会とともに九州ボートを引っ張るリーダーとしても、全日本タイトルは常にほしい勲章であり輝き。九州、長崎のボートを全国にアピールしていくエネルギーは尽きることがない。 マッチレースの末に惜しくも準優勝となったT山国際大。M2-強豪社会人相手に互角に渡り合った強さは西日本から大きく改善してきたように感じる。S:U野選手4年、B:H谷川選手4年のペア、H谷川選手は昨年インカレM2-優勝している。
※ご指摘をいただき、H谷川選手は4年生なので4年ペアとのことでした!訂正させていただきました。https://www.youtube.com/watch?v=nWfIlZsjwLULM2-決勝 1:31:20~M4XM4X決勝は、優勝候補のI治造船・社会人に対し、大学クォドの猛者たちがいかにレースを展開していくかが見どころとなりました。
頭をとろうとスタートから一斉に突っ込んでくるM4X、やはり6クルー決勝で全艇スタート先行勝負で競り合う光景は壮観そのものですね!6艇が途中まで横一線で続く、こういった白熱の見応えある展開もいくつかの種目で見られましたが、その一線の展開も500mを過ぎると最序盤こそ殺到する大学勢スプリントにマイペースを守っていた本命・I治造船が徐々に進出、第2クォーターでは2番手争いのM大、R谷大に対して水をあけにかかり、そのコンスタント力で本領を発揮し始めました。
全く落ちないI治造船は快調にトップを走り、ストロークの新人・K村R暉選手がリズムをリードする中力ある3人は艇に集中し、I治造船創部初の全日本優勝に向かって突き進んでいきます。
残り500m、2番手に浮上してきたT経大との差は8秒差の3艇身以上、これまでの優勝への思い全てぶつけて、I治造船は全日本初のM4X挑戦を、見事にチーム初の日本一につなげたのでした。
2位には後半の強みが武器となってきたT経大。久しぶりの全日本準優勝。大学勢もインカレでさらなる成長を遂げていくでしょう。
喜び爆発のI治造船クォド、2005年の創部より18年目にしてついに初の全日本優勝。S:K村R暉選手、3:O智選手、2: O部選手、B: M手洗選手の4人全員が地元今治市出身。地元、I手先生が中心に育てた今治のボート、松山市、宇和島市の3拠点と協力し高め合いながら地元の社会人チームがクルーボートで優勝したことも愛媛県はもちろん、四国ボート全体にとっても大きな金字塔となり今後の発展の礎にもなることだろう。
2017愛顔つなぐ愛媛国体、それにともなうI治造船新艇庫完成、そして部員の増加と強化。すべてステップアップして今回の優勝に結実した。現在男子部員4名、女子部員1名の少数精鋭だが、その男子4人全員が乗っての優勝。2016年からは愛媛の巨人、T田D作さんもアドバイザーコーチとして関わってきたという。ボート王国愛媛の豊富な人脈。しかし、基本的には練習メニューや遠征の手配などほぼ選手が主体的に考え行動、合宿所に泊まって自炊など、その活動自体はすべて自主性によるという。
2番に乗るO部主将は昨年インタビューでこう応えたという。
「会社の規定的に、選手活動へのサポートは30歳で終わりなんです。来年30歳になる自分にとって、来年の第100回全日本選手権でクォドで優勝をして、ボートを引退するのが個人的な目標です。」
その目標を見事に果たし、そしてチーム初の優勝を成し遂げたI治造船。しかしそこには、社会人でボートを漕ぐことの難しさとともに、学生時代を超える大きなやりがいがあふれ、またこれからも多くの次世代の選手たちによってたくさんの夢や目標が実現されることだろう。
こちらコメントは、コギカジさんより引用させていただきました!
社会人でボートを続けたいと考える方、必見の記事ですのでリンクさせていただきます。
社会人オアズパーソンとしての矜持~I治造船ボート部~お得な6袋セット 信濃雪 雪豆腐 (高野豆腐 凍み豆腐) 粉豆腐 100g×6【メール便・ポスト投函】【配達日時指定不可・代金引換不可】M4X決勝 3:18:20~M4-初優勝や久しぶりの優勝、という言葉が続きましたね。
M4-種目でも、久しぶりとまで言えるほどではありませんが、男子4人乗り種目では圧倒的な存在感を誇る埼玉県の社会人チーム、T田中央総合病院RCが、2018年M4+以来となる全日本優勝を得意のM4-種目で果たしました。
全日本の男子では初めて優勝したのがM4-で、チームにとっても思い入れのあるこの種目は3回目の優勝となります。
W大、N大、K都大、M大と力のあるM4-クルーが社会人に挑んでくる中で、蓋を開けてみればT田中とC電による社会人トップクルー同士の争い。愛知県の名門、C電も今回このメンバーはM4-がファーストクルーでしたね。
スタートこそ先手をとられるものの、T田中はあせることなく第2で勝負をかけます。新人のN曽根選手をストロークに起用したT田中はSR40近いハイコンスタント、700mでC電をとらえると一気にアタック、半艇身のリードをとります。さらに1000m過ぎて間髪入れずにアタックを連発してたたみかけ、早業での攻め手を繰り出し第3ではあっという間に水をあけての2艇身半で勝負を決めました。3番のU竹選手、バウのK林選手はたいへん安定し、そしてチームの主将K又選手は今年初挑戦したストロークサイドへの転向も何とかものにして4人のバランス、コンビネーションがしっかり揃った形で作戦もビシバシ決まり、男子としては4年ぶり6回目の全日本優勝を手にしました。
3年連続準優勝を乗り越えての、第100回大会での優勝はまた格別だっただろう。金メダルが4人の胸に輝く。
T田中は現在男子6名、女子2名。どんなクルーを組んでもトップ争いが可能だが、さらに成長して全員強く、チームとしてさらに強いという、組織も個もトップレベルで戸田を代表するチームとして高みをめざしてほしい。
こちらも愛媛のI治造船と同様、選手自身が活動の主体となりクラウドファンディングはじめさまざまな企画や試みにチャレンジ、広報や地域との連携などあらゆる社会人ボートポテンシャルを拡大していくことを方針としている。社会人ボートのあり方は時代とともに変わっていく。その最先端のレースをトップで征くために。
T田中Facebookより掲載させていただきました 名門C電、今年も惜しいところで優勝を逃すも、トップレベルにあるという存在感はアピール。
力のある選手ばかり、復活への挑戦は続く。
https://www.youtube.com/watch?v=nWfIlZsjwLUM4-決勝 1:50:25~M4+もうひとつ大会ベストレースに挙げたいのはM4+です。
プレビューの記事でもお伝えしたように、激戦、混戦のM4+でした。決勝では昨年優勝のN大、王者○TT、国体へ向け強化が始まったS賀スポーツ協会、大学屈指のフィジカルをもつD大と、どこが勝ってもおかしくない歴戦のクルーばかりでしたが、大会前の予想どおり、TレとT紡織、社会人ファーストクルー同士の2強による決戦となった様相です。TレとT紡織のつくる聖域にはどのクルーも近寄れない、その空間の中での壮絶な死闘、といったレース。
TレはM4-のように軽快な走りで止まらずスムーズにスピードを出すタイプなので、順風なら6分ひとけたの日本レコード大幅更新ができたのではと思うほどのスピードクルーでした。T紡織はエントリー前に若干だけラグがあるのですが1本1本水中の強度とフィニッシュに向けた加速でやはり素晴らしい加速をするM4+。また、Tレはフィニッシュで間をとり艇を一旦置いてスライドを一致させるフィニッシュのリズムスタイルで、T紡織はスムーズにつなげてフィニッシュ回りでサイクルを円環させるリズムスタイル。こうした違いも、両艇並んでいるので若い選手の皆さんはリズムやスタイルの違いをよく見てみてください。
ひとつこの決勝にいたる伏線としては、まず3週間前の西日本選手権では500mでは並んで、第2のコンスタントで抜け出したTレが1艇身リードに成功しラストT紡織の猛追届かずカンバス半分Tレの勝利。
それから全日本予選で再び対戦したTレとT紡織は、Tレがスタートダッシュに成功しT紡織を一気に離すとあとは一人旅、1000mまでに広げた7秒差を保って予選タイム1位でTレの勝利。
さらに敗復回りで上がってきたT紡織、3たびTレと全日本準決勝で同じ組となり、ここではスタート修正したT紡織がTレと並び、いつものようにコンスタントで軽快なTレが離そうとするも逆カンバスで食らいつきT紡織がぴったり離れず、ラストはついに差して上り調子でTレに勝って決勝へ進めたのです。ここではじめてT紡織の勝利。
そしてその勢いのまま、迎えた全日本決勝は4回目の対戦となったTレとの死闘を制して、T紡織が優勝するのです。
けっこう、これまでの全日本や大きな大会での傾向なのですが、予選敗復、あるいはその前に負けていても、準決勝で勝ったクルーは決勝でもそのままの勢いでさらに爆発して優勝するという結果に何度か遭遇しています。
個人的な思い出ですが、2014インカレではR大が前哨戦の東日本でこの年優勝候補ナンバーワンの対校M大に勝って優勝、予選M大に勝ち予選全体1位、準決勝M大に負け準決2着、そして決勝もM大にその勢いのまま敗れ準優勝。
リベンジを誓った2015インカレではR大が予選N大に負け2着、敗復K應大に負け2着と調子上がらず、しかし準決勝N大に勝ち流れを掴んで逆風の準決勝を1着、そして決勝でM大、K應大、N大に勝ってインカレレコード6'12で優勝です。
どうもずっと負けていても、1日1日レースが続く流れの中では準決勝で勝ち負けの流れは、特にそのレース内容が重要なのですが準決勝で勝ったことで決勝でもその勢いがさらに増す傾向があるかもしれませんね。
ずっと僅差で敗れながら、準決勝でTレにはじめて勝ったT紡織。
果たして、決勝ではやはり両者同じこれまでの強みを生かし、西日本や準決勝と同じ傾向でのレース展開、最初はやや並び、Tレが前半から第3まで優位に進めますが決勝ではこれまでで最小の差となる逆カンバスから半艇身というぴったりマークでほぼ並んでいる状態で1500mまでいきますが、T紡織の豪快な水中力。
この水中力の差でスパートをかけると、Tレをついに逆転しラストまで持たせるという驚嘆すべきパワーとフィジカルを見せてこのまま押し切り、優勝を果たしたのです。ストロークのY尾選手の破壊力もさることながら、2番の新人T植選手の加入は大きかったと思います。3番K谷選手、バウのY口K太選手もこのパワフルSサイドに拮抗して素晴らしかった。
M4Xにもストロークで活躍したI治造船のK村R暉選手がいましたが、M4+T紡織のT植選手、T山国際大でインカレM2X2連覇を果たしたこのお二人が、新天地でも4人乗りで主役級の活躍を見せたのはたいへん印象的でした。
そしてタイムです。M4+優勝のT紡織、逆風で6'42はM4Xの優勝タイムと同じだったということもすごいのですが、他の種目も含め推定すると、私の見立てではM4+は戸田無風であれば6'15を切っていたと思います。そして順風なら6'05くらいまで出ていたと私は推定します。M4X優勝タイムと同じでしたからね。これはもちろん、2000年のあの順風MY生命の日本レコード6'14を破って歴史を動かしていると確信しています。T紡織もTレも両方ですね。無風や順風であれば確実、というところでした。
いまのボート競技は、こうやってライブ配信あり、色んな動画やコンテンツあり、SNS交流あり、知識も情報も格段に増え、多くのボートOBOGにもじゅうぶん楽しめる、そして日本のボートがレベルアップしている状況も楽しんで見て頂ける競技に成長しているのではと思うんですよね。
タイムの向上は、艇や道具の進歩以上に、選手の心技体が昔より間違いなく向上していることの証だと思います。
単純に体力と技術はアップしていますが、戦い方も含めて、トップレベルではたいへんハイレベルなレースが多かったと思います。
全日本上位選手のエルゴスコアが伸びているのは、M1X上位4選手だけでも5'56、6'13、6'21、6'07という争いだった点からも言うまでもないことだと思いますし、技術においてアップしているというのは、こちらもボートをいかに進めるかというところで力学的にも最も適している身体の発生したエネルギーがほぼ全て艇を推進させるエネルギーに変換できている選手が多いということですね。簡単に言えば、「人と艇がつながったRowing」が体現できているクルーが増えているということです。かつては軽量級選手優位だった技術、これが体重にかかわらずトップ選手の技術が伸びて、オープン選手の技術向上は間違いなく進んでいると思います。
以前から技術の追究においてはどの大学選手もそれぞれの理想の漕法をきわめるということで盛んだったと思いますが、今の選手は乗艇から上がってすぐにデジタルビデオで撮影した練習動画をチェックしながらミーティングをしたり、海外選手の理想の漕ぎをスマホにいくつもおさめて、自分のRowing動作と比較するなど手元で何度も見ては動作確認するなど、やはり現代の最新デジタル技術を技術向上のために有効に活用しています。そうした映像データを遠方のコーチに送信してアドバイスを求めるなど。普段からいつでもスマホでRowing情報にアクセスして情報収集や知識を集めることもできますからね。とにかく、今の高校生、大学生からしてRowingの動作解析の力にすぐれており、昔ながらの権威ある指導者に教わるとおりではなく自らRowingを分析し研究できる時代になっているということなのです。
SNS交流もさかんで、ボート界の有名な人のフォロワーになったり、他大のボート仲間も知り合いになりやすい。Rowingでトップをめざす人は、情報とSNSの活用が頻繁だったり上手な人が多くなっているのではないでしょうか。
いずれにしても、関西と中部のトップチーム同士がファーストクルーでM4+激突し、多くの社会人、大学のトップクルーも含めてM4+種目でもこのようなハイレベルなレースを楽しめた。この第100回大会、多くの話題とともに、各種目史上最高レベルのレースが目白押しのレベルアップも感じられたことと思います。
M4+優勝、赤い閃光のT紡織。S:Y尾選手、3:K谷選手、2:T植選手、B:Y口K太選手、C:F原選手。
日本のオープンY尾選手がストロークで引っ張り、大学ボートで活躍したK谷選手(C大出身)、T植選手(T山国際大出身)、Y口K太選手(N大)がしっかりかみ合い、コックスF原選手はO阪工大出身で大学からボートをはじめ、自身はじめてとなる全日本優勝。3度目の正直でTレに準決勝で競り勝ち、決勝もその勢いのままさらに出し切りラストクォーターでの逆転優勝。
条件が整えばまたM8+挑戦に戻る可能性はあるが、ぜひともM4+種目のさらなるレベルアップもめざしてほしいと思います!
M4+惜しくも準優勝、蒼い弾丸のTレ滋賀。
S:S賀選手、3:F田選手、2:S藤K太郎選手、B:E本選手、C:T坂選手。(写真は予選)
ずっといい状態で来ただけに、決勝もベストの漕ぎを表現したと思うが一歩及ばず。しかし、一歩及ばないというより、限界以上に出し切った前にT紡織がほんの少しだけさらに追い越しただけなので、本当に両者とも全日本史上最高のM4+2艇だったと拍手をお送りたいです。個人的には、今シーズンの主役といえる素晴らしいクルーでした。ヴェレダ ホワイトバーチ ボディオイル 200ml WELEDA ボディオイル [8336]送料無料 ボディシェイプオイル セルライト マッサージ むくみ リラックス効果 大容量M4+決勝 4:45:00~M8+男子エイトは、不動の優勝候補筆頭の○TTが、強豪エイトたちの挑戦をしりぞけ危なげなく7連覇達成!
本当に、そのようなレース展開となってしまい、見る側としてはもっともっと熱い接戦を期待していましたが、やる側として一番望んでいるのはやはり不安やトラブルをしっかりつぶしてのセーフティーで確実なレース。それを見事なまでに徹底して表現した鋼鉄のような決勝レースだったと言えるでしょう。鋼の錬金術師のような、ハガレンのようなレースだったと思います。すみません、読んだことはないのですが。しかし鉄壁のレースが金メダルに輝いたというニュアンスだけは伝わればと思います。鉄のレースが行き着く先はダイヤモンドレースですが、そこをめざして。
○TTは序盤から自分たちに集中はしているものの周りの動向もケアはしていたはずです。全艇が積極的には来ている、特に両翼のC大とM大が先行策を企図して飛ばしている。MY生命はそれほど来ない。
SR42→40→そしてコンスタントは39。MY生命はやや低めに見えるのですが、ゆったりしていてSR40→39→コンスタントは38というところでした。
○TTはこの、特別飛ばしはしないが自分たちより前に出るクルーはないと確認して第2でアタックをかけ、しっかりと主導権を握り続けて攻めの姿勢で後続を突き放すという、このボートの横綱相撲に集中できました。タイムがライバルですが、詰めてくるクルーには近づいたらコールをかけて離すという、艇差を詰めさせない鉄壁戦術です。
MY生命が大会通じてあまりスタートが出ずにイーブンのスタイルでしたので、決勝はもう少し来るかなと期待していましたが、これまでどおりに1本1本着実に伸ばすレースをしてきたので、後半の攻めもうまく詰めることができずに一騎打ちとまではいかずついていくのが精一杯という感じでした。エイトを組んでずっとこのような平均艇速のレベルが高く、トップスピードの切れではなく持続スピードで勝負するクルーになっていたようです。
○TTも、F田選手をストロークに起用しており、艇をまったく止めることがない巧みなF田選手そのままのテクニックを体現したM8+となり、昨年よりもずっとテクニカルなエイト、安定して揺れずに動かし続けるという、従来のパワフルな○TTとは違うエイトになっていた印象がありました。今年の○TTはクルーの半数は軽量であり、総体重で見ればMY生命と同じだったはずです。
○TT・・・総体重622.5kg、平均77.8kg
MY生命・・・総体重626kg、平均78.25kg今回の社会人2強、逆風で○TTは6'02、MY生命は6'07ということで、無風推定は○TTが5'40前後、MY生命は5'45前後というところでしょうか。3位のN大はMY生命と2秒差だったので、5'47というあたりが推定かと思われます。
やっぱりボートは静水のコンディションで、漕ぎの質、レース内容とともに、タイムの数字でもそのスピードを確認したいものですが、逆や横では測りづらい実力も、しっかり見た目やその他の要素で評価できるといいですね。
とにかく、○TTがクルーが変わっても万全で日本ボート史上最高記録を更新するM8+7連覇を達成。
これに挑んだMY生命は、完成度その他、時間をかけてもう一度○TTを超えて日本最速M8+になるための挑戦が必要となります。
N大は対校戦での敗戦を大きく挽回、メンバーも万全に近い形で再び大学ボートの主役に。
C大も鮮やかに復活、このM8+ならインカレ決勝で打倒N大の筆頭になること間違いありません。N井選手、O野選手のストペアはいいですし、K崎選手、I渡選手の中核、このストフォアがいいですね。そして後ろも強く、バウのO西選手で安定します。
K應大はこんな位置ではありませんね。海の森で発揮しきれなかったそのポテンシャル、夏の戸田で爆発できるよう研ぎ澄ませてください。
M大も4月の好調の波をもう一度。今度はさらに高いピークのビッグウェーブを。
Final Bの大学勢も、激戦でどこが優勝してもおかしくない。今度は戸田で、大学日本一を決める戦いへと、3カ月半の勝負がまた始まります。
全日本記録となるM8+7連覇、○TT東日本があの日本レコード5'37"96を出した海の森で、第100回大会の節目の大会で、大勢の観客の見守る中達成!!
ちなみに海の森での5'37レコードは参考記録扱い、同じ2019年9月に戸田で出した5'38"20が日本M8+レコードタイム(ボート的には日本ベストタイム)です。しかし、海の森の記録も全日本を開催しているのでベストタイムと認定されるでしょう!
近いうちに5'35、5'30と次々に日本ベストを更新してほしいです!!
S:F田選手、7:H選手、6:N溝選手、5:O塚選手、4:T野選手、3:MY浦選手(バウサイチェンジ)、2:N選手、B:I瀬選手、C:T野選手 ペイントテーブル(パステルピンク) 幅60cm 机/折りたたみテーブル/ローテーブル/子供/キッズ/パステルカラー/お絵描きテーブル/完成品/NK-6040 送料込!東京で、東京2強が日本一の座をかけて挑んだMY生命、今回は絶対王者に後塵を拝する結果となったが、年々縮めて最速エイトへと成長したい。
S:A井選手、7:H谷選手、6:I政選手、5:K保選手、4:N田選手、3:H本選手、2:K澤選手、B:K田選手、C:N村選手(写真は予選)
(プレビュー記事のシート予想、おかげさまで的中しましたね~!)
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いかがだったでしょうか、第100回スペシャルの特別拡大バージョンでお届けしております。(写真をいつもの1.2倍以上に拡大)
後編はおそらく女子編。この分量だとさすがに全部書くのも全部読むのも大変ですね!!